公認心理師試験の勉強法|日程・合格率・過去問の進め方

公認心理師試験の勉強法|日程・合格率・過去問の進め方

公認心理師試験の勉強法を、第10回の日程、直近3回の合格率、ブループリントの読み方、月ごとのスケジュール、過去問の回し方まで公認心理師試験研修センターの公表資料をもとに解説します。

公認心理師試験の勉強法は、「ブループリントで出題の配分を把握する」「過去問を軸に回す」「事例問題と制度の問題を落とさない」の3つが基本です。合格基準は総得点の60%程度以上で、直近の第9回は230点満点中136点以上が合格ラインでした。次の第10回試験は2027年3月7日で、今日から約4か月あります。

この記事では、公認心理師試験研修センター(旧・日本心理研修センター)の公表資料をもとに、試験の概要、合格率、ブループリントの読み方、月ごとのスケジュール、過去問の使い方を整理します。

この記事でわかること

  • 公認心理師試験の日程と、直近3回の合格率
  • 出題基準とブループリントの読み方と、勉強の配分の考え方
  • 試験日までの月ごとの勉強スケジュールの例
  • 過去問の回し方と、直前期の過ごし方

公認心理師試験の日程と試験の概要

勉強計画の出発点は、試験日から逆算することです。まず日程と試験の形式を、実施機関である公認心理師試験研修センターの公表内容で確認します。

公認心理師試験の日程(第10回)

第10回公認心理師試験の日程は、次のとおりです(2026年10月30日確認)。

  • 試験期日: 2027年3月7日(日)
  • 試験地: 東京都、大阪府
  • 受験申込期間: 2026年12月1日(火)から12月25日(金)まで(消印有効)
  • 受験手数料: 28,700円(非課税)
  • 受験票交付: 2027年2月17日(水)。ダウンロード形式で、郵送はありません
  • 合格発表: 2027年3月31日(水)14時予定

受験資格が「見込」の人は、2027年4月16日(金)消印有効までに必要書類を提出する必要があります。期限までに提出できないと受験が無効になり、再受験はできず次回は新規の申込みになるため、大学院の修了見込みの人は特に注意してください。最新の日程や申込方法は、必ず公認心理師試験研修センターの公認心理師試験のページで確認してください。区分Bで受験する場合は、公認心理師の実務経験で認められる施設とは?の条件も先に確認しておくと、見込みの時期を立てやすくなります。

直近の実施日を見ると、第7回が2024年3月3日、第8回が2025年3月2日、第9回が2026年3月1日と、近年は毎年3月上旬に行われています。

試験の形式と配点

第9回の合格基準の資料によると、配点は一般問題が1問1点、事例問題が1問3点で、総得点は230点です。第9回の問題冊子の注意事項では、午前の問題が77問、午後の問題が77問の計154問で、解答時間は午前・午後とも正味2時間と書かれています(午前10時から12時、午後1時30分から3時30分)。第10回の問題数や試験時間は試験ページに記載がないため、第9回の例として受け止め、最新の案内で確認してください。

公式資料に一般問題・事例問題の問題数の内訳は示されていませんが、154問と230点から計算すると、一般問題が116問、事例問題が38問になります。

事例問題は1問3点と配点が高く、総得点の約半分を占めます。知識を覚えるだけでなく、事例から状況を読み取って判断する練習が必要です。

合格後は登録が必要

試験に合格しただけでは、公認心理師と名乗ることはできません。公認心理師法第5条は、合格した者は公認心理師となる資格を有すると定め、第28条は、公認心理師登録簿への登録を受けて初めて公認心理師となると定めています。第44条は、公認心理師でない者が「公認心理師」の名称を使うことを禁じています。登録の手続きは公認心理師試験研修センターが案内しているため、合格発表(第10回は2027年3月31日予定)の後に確認してください。

公認心理師試験の合格率と合格基準

「どのくらいの水準を目指すのか」を知るために、合格率と合格ラインを確認します。数字は公認心理師試験研修センターの合格発表資料にもとづきます。

直近3回の合格率

  • 第7回(2024年3月実施): 受験者2,089人、合格者1,592人、合格率76.2%
  • 第8回(2025年3月実施): 受験者2,174人、合格者1,454人、合格率66.9%
  • 第9回(2026年3月実施): 受験者2,400人、合格者1,441人、合格率60.0%

合格率は第7回から第9回にかけて下がり続けており、第9回は60.0%でした。公式資料には理由が示されていません。合格率が変動する前提で、余裕をもった準備をしておくのが安全です。

合格基準の考え方

合格基準は「総得点の60%程度以上を基準とし、問題の難易度で補正する」という考え方で決められます。実際の合格ラインは、第7回が230点満点中138点以上、第8回が134点以上、第9回が136点以上でした。毎回数点ずつ変わる可能性があるため、「140点前後を安定して取れる」状態を目標にすると余裕が持てます。

公認心理師の試験の出題基準とブループリントの読み方

出題範囲が広い試験では、どこにどれだけ時間をかけるかが合否を分けます。その指針になるのが、出題基準とブループリント(公認心理師試験設計表)です。

出題基準とブループリントとは

出題基準は、試験で問われる項目を大項目・中項目・小項目に整理したものです。ブループリントは、項目ごとの出題割合を示したものです。公認心理師試験研修センターが「令和9年版 公認心理師試験出題基準・ブループリント」として公表しており、第10回の勉強には最新版を使います。

出題基準には、出題が基準に書かれた事項に限られるわけではなく、法律、政省令、厚生労働白書などの公刊物に載っている事項からも出題されると明記されています。基準に載っていない内容が出ることもある前提で、基準を軸に広めに備えます。

出題割合の大きい分野から優先する

令和9年版のブループリントでは、24の大項目それぞれにおおよその出題割合が示されています。割合の大きい項目は次のとおりです。

  • 心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助): 約9%
  • 健康・医療に関する心理学: 約9%
  • 福祉に関する心理学: 約9%
  • 教育に関する心理学: 約9%
  • 心理状態の観察及び結果の分析: 約8%
  • 公認心理師に関係する制度: 約6%

支援、アセスメント、保健医療・福祉・教育の各分野の心理学を合わせると、約44%になります。一方、知覚及び認知、学習及び言語、感情及び人格などの基礎心理学系は、1項目あたり約2%と小さめです。

大学院での学びがそのまま役立つ分野も多いので、自分の得意・不得意を割合と掛け合わせて、「配点が大きく、まだ弱い分野」から固めていくと効率的です。なお、制度に関する問題(公認心理師法、各分野の法律、倫理など)は、範囲が広く条文や用語の整理に時間がかかるので、早めに触れておくと安心です。守秘義務の条文と例外は、公認心理師の守秘義務とは?例外・罰則・通告の整理で確認しておくと役立ちます。

公認心理師試験の勉強法の基本

勉強の方法は人によって合う合わないがありますが、出題の形式に沿った基本の型はあります。ここでは、試験の特徴から導ける考え方を整理します。

過去問を軸に回す

過去問は、出題の傾向や難易度、問題文の癖をつかむ最も確実な教材です。公認心理師試験研修センターのウェブサイトには、各回の試験問題と、合格基準および正答が掲載されています。無料で入手できる一次情報なので、必ず使います。

過去問の回し方の例は次のとおりです。

  • 最初の1回は、時間をはかって解き、現時点の得点と苦手を把握する
  • 間違えた問題は、なぜ誤りの選択肢が誤りなのか、正解の選択肢が何を言っているのかまで確認する
  • 解説で出てきた用語や概念は、テキストで周辺まで読み直す
  • 新しい年度から遡って解くと、直近の出題傾向をつかみやすい
  • 2周目以降は、間違えた問題とあいまいに解けた問題だけを回す

過去問は、新しい試験で同じ問題がそのまま出るわけではありません。正解を覚えるのではなく、「どの知識がどう問われるか」を学ぶ教材だと捉えると、応用が効きます。

テキストと講義はブループリントに沿って使う

テキストや講義は、過去問で間違えた分野を補う目的で使うと、読む量を絞れます。大学院の授業のノートや資料も、有力な教材です。教材の選び方は人によって異なるため、複数の教材を買い足すより、1〜2種類を繰り返し使う方が定着しやすくなります。

模擬試験は時間配分の練習に使う

模擬試験は、本番と同じ時間で解く練習と、弱点の洗い出しに向いています。ただし、公認心理師試験研修センターが示す試験ページには模擬試験の案内がなく、民間の講座や教材の模試は内容も質も様々です。受けるなら、点数に一喜一憂せず、時間が足りなかった原因や間違えた分野を確認する材料として使い、過去問の復習を中心に置く方が安全です。

間違いノートで弱点を一か所にまとめる

過去問で間違えた問題やあいまいに解けた問題は、ノートやカードに一か所へまとめておきます。書く内容は、問題の番号、間違えた理由(知識不足、読み違い、選択肢の絞り込みの失敗など)、正しい理解の3点で十分です。

理由まで書き残すと、自分に多い間違い方が見えてきます。たとえば、用語の取り違えが多いなら用語の整理を、問題文の読み違いが多いなら読み方の練習を優先するといった調整ができます。試験直前の見直しにもそのまま使えます。

事例問題の対策

事例問題は1問3点で、全体の得点に大きく影響します。事例問題では、事例の要点を整理し、アセスメントの視点、支援の方針、関係者との連携、倫理的な配慮の優先順位を判断する力が問われます。

過去問の事例問題を解いたら、次の点を振り返ると力がつきます。

  • 事例のどの記述が根拠になって正解が決まるのか
  • 他の選択肢が不適切なのは、倫理、安全、連携のどの観点か
  • 実習や授業で学んだどの場面と対応しているか

勉強時間の目安は人によって違う

予備校や講座の資料には、「300〜450時間」などの勉強時間の目安が示されていることがありますが、公的な機関が示した数字ではありません。大学院での学習量、実務経験、得意不得意によって必要な時間は大きく変わります。時間の数字にこだわるより、過去問で安定して得点できているかを基準に進めるのが現実的です。

公認心理師試験の勉強スケジュール(第10回向け)

試験日の2027年3月7日から逆算して、2026年11月から試験日までの目安を示します。修士論文、実習、就職活動と並行する人が多いため、無理のない範囲で調整してください。個人差があるので、あくまで目安です。

11月: 現状把握と計画づくり

  • 令和9年版のブループリントと出題基準を確認する
  • 第9回など直近の過去問を1回、時間をはかって解く
  • 得点と弱点分野をメモして、月ごとの計画を立てる

12月: 弱点分野のインプット

  • 過去問で落とした分野のテキスト読み込みや講義の視聴
  • 受験申込期間(12月1日〜25日)に必ず申し込む。受験資格の確認書類も早めに準備する

1月: 過去問演習を本格化

  • 直近3〜5回分の過去問を解き、間違いを整理する
  • 事例問題の読み方と選択肢の消し方を練習する
  • 制度・法律の問題は、条文と用語を整理して覚える

2月: 総復習と本番形式の練習

  • 苦手分野の再確認と、2周目以降の過去問
  • 本番の時間配分を意識して、午前・午後の通し練習をする(第9回の例では各2時間)
  • 2月17日の受験票交付を確認し、試験会場へのアクセスも確認する

3月: 直前期の過ごし方

  • 新しい教材には手を出さず、これまでの間違いノートを見直す
  • 睡眠と体調を整える。試験は3月7日(日)
  • 合格発表は3月31日の予定

よくある質問

Q. 公認心理師試験の勉強はいつから始めればいいですか?

第10回の場合、試験日が2027年3月7日なので、遅くとも秋から冬にかけて始めるのが無理のない目安です。大学院の授業で学んだ内容が土台になるため、早めに過去問を一度解いて、必要な勉強量を自分で見積もるとよいでしょう。

Q. 公認心理師試験の合格率はどのくらいですか?

公認心理師試験研修センターの公表では、第7回(2024年3月)は76.2%、第8回(2025年3月)は66.9%、第9回(2026年3月)は60.0%でした。回によって変動するため、一定の合格率を前提にしないで準備してください。

Q. 公認心理師試験の日程はどこで確認できますか?

公認心理師試験研修センターの公認心理師試験のページで確認できます。第10回は2027年3月7日(日)に東京都と大阪府で実施され、申込期間は2026年12月1日から12月25日です。

Q. 公認心理師試験は独学でも合格できますか?

独学で合格した人はいますが、公的な数字では独学かどうかの合格率は確認できませんでした。過去問と公表資料は無料で使えるため、独学でも土台は作れます。不安がある場合は、大学院の同期や教員と勉強会を作るのも一つの方法です。

Q. 公認心理師試験の過去問はどこで手に入りますか?

公認心理師試験研修センターのウェブサイトの各回の合格発表のページに、試験問題と、合格基準および正答の資料が掲載されています。まずはここから、最新回に近いものを使ってください。

Q. 公認心理師試験の合格点は何点ですか?

総得点230点に対し、第8回は134点以上、第9回は136点以上が合格でした。合格基準は「総得点の60%程度以上を基準とし、問題の難易度で補正する」という考え方で決められるため、回によって変わります。

まとめ

公認心理師試験の勉強法の要点は次の3つです。

  • 試験日(第10回は2027年3月7日)から逆算し、ブループリントの出題割合を見て優先順位をつける
  • 過去問を軸に、間違えた分野をテキストで補い、事例問題は根拠と選択肢の消し方を振り返る
  • 合格率は第7回76.2%、第8回66.9%、第9回60.0%と下がっているため、合格ラインに余裕をもって備える

公認心理師試験の勉強法は、公表されている一次情報を使い切ることから始まります。まずは公認心理師試験研修センターの試験ページで最新の日程と過去問を確認し、今日の1回分の過去問から始めてみてください。